人類史上最悪の赤ん坊現る・・・(笑)【悪魔の赤ちゃん】

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1974年/ワーナー

監督　ラリー・コーエン

出演　ジョン・ライアン

シャロン・ファレル

アンドリュー・ダガンほか

【2013/11/10投稿】

どもども～(´ω｀*)

今日紹介する映画はコレ！！

【あらすじ】

平凡な夫妻の間に誕生した新生児は突然変異の怪物だった。医師や看護婦を殺害し病院から逃げ出したその赤ん坊は殺戮を繰り返しながら両親の住む家へと向かう……。

【感想】

いやー、まず題名が悪魔の赤ちゃんって

悪魔の〇〇シリーズかと思ったわ(笑)

昔の邦題のタイトルって結構適当だったのかな・・・・？∑(－x－;)笑

って今回またまたB級映画の宝庫GE〇(ほぼ隠れてない笑)で見つけてきたんすけどねー

まず興味を惹かれたのがパッケージ裏の説明書き。

こういう赤ん坊＆子供が悪魔に取りつかれるだのバケモノになる系の映画って、結構多いと思うんよ(最近じゃエスターとか？笑)

でもって、大概は生まれた当初はごくごくフツーのお子さんだったのが次第に頭角を現してくるってパターンがほとんどじゃん？？

でもこの作品は違います。

生まれた瞬間へその緒食いちぎって人を襲いまくるっつうなんとアクティビティなベイビーなんだ・・！？(￣□￣;)ってそこにエラい興味持っちゃって(笑)今回鑑賞・・・・

で、感想・・・・・

いやいやいや

恐ろしや恐ろしや・・・・・

これは間違いなく

現代社会への警告だ！！！！！(￣□￣；)

まず今作が作られたのが1975年、出てくる登場人物の服装から車まで相当の古さが匂いますが、親元のワーナーさんのフィルムの保存状態が良かったのか、映像は非常にクリーンで非常に見やすい

こういう古い映画こそ、綺麗な画質で見たいですよね～

そしてこの作品の公開時は俗にいうオカルトブームの真っ只中であり、この作品もそのブームに便乗した作品の一つだと思われていた・・・・

だがしかーし

この作品をそんなオカルトB級映画と同じ棚にしまってしまうなんてあまりにも勿体無い

徹底的に現代社会を弄ったホラー映画なのであります

【特徴　その①】

バケモノを産んだ親は、バケモノか

お話はヒジョーに簡単

ある夫婦が2人目の赤ん坊を産みに産婦人科へGO(ノリ軽い笑)｢男の子かしら、女の子かしら」なーんて息子と浮かれながら息子を友人の家に押し込んで妻はお産室へ、夫は生まれてくる赤ん坊を想像しながらそこらへんで知り合った男どもと雑談に吹けていたら

妻のいる病室から医者が明らかにわざとらしい倒れ方をするではないか！！？∑(－x－;)笑

｢なーんてこったい！？」と夫が急いで妻のいる病室へ駆け込んでみるとなななななーんと血だらけで倒れこむ医者たちの無残な死体現場じゃあーりませんか！！(　 ﾟ ▽ ﾟ ;

｢な、なんじゃあこりゃああああ！！！！？？？」

と目を真っ赤にしながら倒れこむ妻のもとへ駆け寄ったのも束の間、すぐさま他の医者に取り押さえられ、警察軍団ご登場ー

｢うーん。逃げた穴の小ささからこれは生まれたての赤ん坊による仕業ですな。」

よ、刑事の名推理ってんなこたああるかーってなるのは置いといて(笑)

前半はバケモノと化した赤ん坊の殺戮惨殺ショー・・・ではなくて、一瞬にして希望を奪われ、マスコミには情報がリークし、広告会社をクビになる夫の転落人生が描かれます。

この夫役の俳優さんは知らないけど、もう序盤のウキウキランランパパから、どんどん目の下のクマが晴れ上がるほど顔の生気が無くなっていく様は、非常に名演技でしたねぇ～

そりゃあ一夜にしてバケモノを生んだ父親だなんて世間に批判の目で見られる運命に合うなんて・・・想像しただけでも辛いでしょうね・・・

しかもバケモノって言っても血の繋がった息子なんですから・・・・

劇中で｢フランケンシュタインはバケモノだが、後から本を読み直してみるとバケモノはフランケンだけではなく、それを作り出した博士そのものもなんだ。」と語るシーンがありますが、まさにそれですね・・・・

しかし夫は決心をします。

息子を永遠に葬り去ろうと。

その為に警察に積極的に協力したり、また異常成長した息子を是非研究材料にしたいと頼み出る医者たちに息子との縁を切る契約を結んだりと・・・・

今頃妻も無事健康になって、家族3人で新しい息子の誕生日祝いでもしている頃なのに・・・その夢が無残にも崩れ去るような、次第に悲しい表情になっていく夫が非常に印象に残りますねぇ～

【特徴　その②】

史上「最恐」ベイビー

一方その頃｢イエーイ外の世界サイコーだぜえぇぇ！！！」と言わんばかりに(笑)次々と殺傷事件を起こしまくるトラブルベビィ・・・・

って顔怖すぎ！？？

ちょっとスタッフー！！本気出しすぎ！！！(笑)

こんなんじゃ怖すぎて誰も見てくれなくなっちゃうよー！！(笑)

制作したのは【スターウォーズ】などで特殊メイクを担当したリック・ベイカー氏

なんでも中に人が入って演技する実物サイズと小型モデルを駆使して撮影されたらしいんだけど、その見せ方が非常に卓越していて、全身を移さず顔のアップが一瞬だけ写ったり、影に隠れた姿だったり、光の｢明」と｢暗」を匠に使用することによってよりリアルかつインパクト大な映像に仕上がっています

さらにたぶんこの地球上で最も不気味な赤ん坊の鳴き声も必見です(笑)

【特徴　その③】

現代医学のアンチテーゼ？

そんなこんなでお話は進んで行くのですが、この映画の一番の核心というのがですね・・・

まず今回登場するバケモノベイビーってのが、決して悪魔が宿ったわけでもなく、エイリアンにアブダクトされたから生まれたわけでもなく、政府が明確な安全性も調べず許可した新開発のピルが原因とされているということ

しかもこれも実際物語ではかなり曖昧な説明がなされています。

つまりは現代社会の新薬開発への恐怖＆安全性という現代社会への警告を発しているのです

もちろん、現代では昔と違ってその安全性はより確かなものになりつつはあります。

まあこの映画の公開時期からして、当時は今よりも安全性に乏しい薬がきっといっぱいあったんでしょうが、ではこれは過去だけの問題なのかと言えば、僕はそれは違うと思うのです

大学のある授業で見させられたビデオでは、近年では新薬の開発目的が、製薬会社の利益に左右されている問題が挙げられていました。つまり、この問題は決して過去の産物ではなく、現代社会にも十分通用する問題なのです

劇中最後に署から一本の電話が入る。それを聞いた刑事が一言

｢シアトルでまた生まれた。」

と言うシーンは、非常に衝撃的と言うか、悪魔の惨劇がまだ終わっていないことを表しています。

つーか実際その後続編が2作作られたみたいっすね(￣▽+￣*)

【特徴　その④】

それでもアナタは我が子を愛せますか？

そしてさらにもう一つ、それは

親が赤ん坊を殺すというタブーに果敢にも挑戦しているという点です

いくら世間でバケモノ呼ばわりされようと、そして現に本当にバケモノだとしても

親からすればそれでも我が子であることには変わらないのであって、我が子である以上、はやり殺めることなど出来ないという意味合いも込められていると思うのです。

次第に母親がバケモノベイビーをかばい始める描写や、最終的にあれでけ腹をくくっていた父親でさえも、最終的には我が子をかばおうとする、愛そうとする、もう親にはバケモノだなんて関係なくなってしまうのですよ。

まあオラにはまだ結婚も子供もないけれでも、息子娘さんのいる人ならきっとこの作品を見て劇中の夫婦と何かしらでも共感できる部分があるんじゃないかなー。

いやそれか逆に平気で生まれたての我が子を手放すク〇親に向けての批判なのかもしれませんねー(￣_￣ i)

・・・・とまあいろいろ書きましたが

一つ難点を言うとしたら非常にゆっくりとストーリーが展開していくのですが、毎度毎度おんなじBGMばかり流すもんだから見ていて非常に眠くなる(笑)ってことくらいでしょうかね～？

こーんなに面白いのに、ハリウッドもリメイクすりゃいいのに・・・って思ってたら

既にリメイク済みだった(笑)